Edited By Aya Ogiwara / Illustration By Mizuki Niwayama
「何者か?」という問いにプレッシャーを抱えるアナタへ
「お仕事は何をされている人ですか?」そう何気なく尋ねられたとき、言葉に詰まってしまうアナタは“マルチポテンシャライト“かもしれません。何故なら彼らは一つの職業や肩書きで自身を定義しきれず、たった一言でアイデンティティを他者へ伝えることが難しいから。多様な興味や経験の間で、“社会の中での位置づけ“や“自分の価値“を見失いそうになる——。そんな葛藤を抱えているのがマルチポテンシャライトという存在。
“一つの職業や肩書きで表せない私”の正体
マルチポテンシャライトを一言で定義するとすれば、さまざまなことへ興味を持ち、クリエイティブに探求する人。ビジネス、アート、デジタル、語学などと興味の幅が広く、複数のキャリアを経験したいと感じていたり、実際にそのようにキャリアを横断していく人も多くいます。一つのことを突き詰めるよりも、点と点を繋げて新しいアイデアを生み出し、大きなビジョンの全体像を描くことに魅力を感じるのです。また、自身を「ライター」や「デザイナー」などと一語で定義されることにも違和感を覚えます。
好きなことは、全部やっていい
好奇心に突き動かされ、ジャンルを横断しながら新しい価値を生み出すことは、ブレでも器用貧乏でもありません。“自分に合った環境をデザインする力“は、これからの時代に求められる武器になります。ではマルチポテンシャライトのフィールドは何処にあるのでしょう?例えばフリーランサーや起業家、クリエイティブディレクター、コンテンツクリエイターなど、選択肢は多岐に渡ります。共通しているのは職種よりも「働き方」そのものを選び、組み立てていること。複数の肩書きを持つ“スラッシュキャリア“を楽しむことや、柔軟なキャリアチェンジも一つでしょう。好きなことは全部やっていい、むしろやってこそその先に、自分にしか見えないビジョンが広がっていくのです。「何をされている人ですか?」の問いに一つの答えは必要ありません。職業や肩書きでもない、アナタという存在そのものが既にユニークなキャリアなのだから。